君を選んだから
そんな..........嘘でしょ。

バイトばっかりしてたのは、これを買うためだったなんて。

私のために頑張ってたのに、知らずに匡史を責めていた。


「でも、それを何年も持ってる俺って、ちょっとキモいよね。渡せる保証なんてないのにさ。」

「そんなことない。」

「そう? だけど、どうしても忘れられなかったって言うか、忘れたくなかったからさ。だから、手放せなかった。」

「 ..........。」

「あ、でも、ちょっと、この話って、重い? 引いた?」

「ううん..........。」

「じゃあ、笑って。笑ってた方が、このペンダント似合うよ。何だっけ?この水色の石の名前。これって誕生石でしょ? 俺の中では、この水色があおいのイメージなんだ。」

「..........。」


何言ってんのよ、今さら。

マイペースにも程がある。


あの時、私の手を離したのは匡史の方だからね。

なのに、いきなりそんなこと言われたら、泣かずにいられなくなるじゃん..........


「..........バカ。」

「あっ、ひでー。バカとか言っちゃう?俺はお前に会いたくてたまらなかったのに。」

「うそ.......。」

「嘘じゃないよ。もう二度と会えないと思ってたのに、今、あおいがここにいるなんて夢みたいだもん。夢じゃないから、触れても消えたりしないんでしょ。」

「..........。」

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