君を選んだから

会いたくなかった訳じゃない

＜ 会いたくなかった訳じゃない ＞



須賀くんのお家で過ごした一日は楽しかったけど、最後の最後に受けた衝撃は、私の中に大きなダメージを残した。


ショックには違いないだろうけど、ただ単に好きな人がいるだけなら、それでもすぐに、何とか頑張ろうという気になれたかもしれない。

でも、私の勘が当たっていたとすれば、須賀くんは何年もの間、重い十字架を背負い続けて来たことになる。


もちろん、諦めるつもりはないけど、須賀くんの気持ちを思うと、どうしたらいいのかわからなくなった。

あんな状況でも断ち切れない想いって、どれだけ強い想いなんだろう。

どんなに思っても届かないってわかってるのに、ずっとそばにいなくちゃいけないなんて..........


そこまでして思い続けた相手を、簡単に忘れることはできないだろう。

辛いとか、切ないとか、そんな在り来たりな言葉じゃ言い表せない苦しみに、一人で耐えて来たんだもん。


そこにあったのは、恐らく単なる片思いとは比べ物にならない特別な想いと絶望感。

私はその心情に上手く寄り添えるかな。

ちゃんと理解してあげられるのかな。

努力だけでは、どうにもならないことは明白だ。


そこに私は入って行けるのかな。

いつかはこっちを向いてもらえるのかな。

勘違いであってほしいと願うけど、どうしてもそうは思えない。