君を選んだから
その日は結局、夜になっても匡史と連絡が取れなかった。

学校に行く日は卒業式を含め、あと何日もないし、匡史にはその後もすぐ引っ越しが控えている。


なのに、どうしてこんな意地悪するの?

私の何が気に食わない訳?

考えてもわからないから、腹が立つ。


腹が立つけど、それと同時に不安とか大好きとかいろんな気持ちが混ざって、ごちゃごちゃになる。

ごちゃ混ぜの訳のわからないモヤモヤが、最後には涙になって溢れ出す。


あぁ、もう、なんで、そこまでして匡史がいいんだろう。

そんなに好き?

何かもうよくわからない。

私、本当はどうしたいんだろう..........


次の登校日、ドキドキしながら学校に行くと、匡史は来ていなかった。

ガッカリしたし、寂しいけど、ちょっぴりホっとするような?

上手く言い表せないけど、とにかく嫌な気分だ。


登校日と言ってもまだまだ受験が続く子もいるし、言わば自由登校みたいなものだから、誰が来てないかなんて、相当気を付けて見ないとわからない感じだったと思う。

だけど、この前のことを知った上での気遣いなのか、立原くんはすぐに気付いて、落ち込む私を慰めに来てくれた。


やっぱり優しいな、立原くん。

こういう人が彼氏だったら、こんなに悩まなくて済むのに。

私、ヒネくれ匡史のどこがそんなに好きなんだろう..........

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