君を選んだから
ドキドキしながら顔を上げると、笑顔の立原くんと目が合った。

えっ? と思ってた時には、もう手遅れ。

私は立原くんに手を引かれ、校舎の裏の方へ向かって歩かされ始めていた。


「 ねぇ、立原くん!! どこ行くの?」

「ごめん、ちょっとだけ、話聞いて。」

「え、でも.......。」

「大事な話があるんだ。」


そう言われたら、言葉がない。

って言うか、これってもしかして..........


校舎裏の人気のない所まで来て、立原くんはやっと手を離してくれた。

そのまま向き合うと、深呼吸をして、とても真剣な目で私を見た。

そして、何となくだけど、想像していた通りの台詞を語り出した。


「あのさ..........俺、本当のことを言うと、一年の頃からずっと葉山さんのこと、好きだったんだ。でも、向井と幸せそうにしてる姿を見て、何にも言えないでいた。」

「.......そう、なの?」

「うん。だけど、今の葉山さんは違うよね? 向井は何考えてるのかわかんないけど、いつも悲しそうな顔してる。」

「..........。」

「だからさ、後悔しないように気持ちを伝えたかったんだ。俺は葉山さんを泣かせたりしない。絶対、幸せにする。もうあいつのことは忘れて、俺と付き合ってくれないかな。」

「...........。」

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