君を選んだから
いつもだいたい新店陳列なら朝7時前に営業所に集合して、準備をした上、遅くとも8時までには店舗に入る。

改装なら営業時間を避けたいと言われれば、さらに早朝だったり、深夜だったりもあるし、この作業は結構ハードだ。


朝早くてツラいと言いたいところだけど、店舗に着けば生鮮部門の皆さんはとっくに作業を始めている訳で、毎度、頭が下がる思いになる。

この国の小売チェーンの企業努力は、本当にすごいと思う。


この日も通例のごとく、早朝に集合して、予備の販促物を積み込んでから、須賀くんの運転で出発した。

後ろに主任と先輩も乗ってるけど、助手席に乗れるのがちょっと嬉しい。


「あ、ねぇ、そう言えば、担当チーフ、葉山さんの同級生なんだって? 」

「はい。」

「それ、すごくない? 地元とかならともかく。」

「え、本当!? じゃあ、ちょっと、あおいちゃん、頑張って、彼にいっぱい売ってもらってよ。」

「大丈夫ですよ。元々、やり手のチーフだし、葉山に会えてすごく嬉しそうにしてたから、きっとこいつの営業成績上げるために、じゃんじゃん売ってくれますよ。」

「よっしゃあ。じゃあ、やっぱり、新店担当、あおいちゃんにしといて正解だね。」

「よっ、主任、ナイス。」

「だろ? 」

「ははははは........。無理。その顔、キモい。」

「知ってる。」

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