君を選んだから
何本か棚を作った後、我がチームの男子たちは入浴剤やらカイロやらがてんこ盛りになったシーズンエンドの製作。

私は男子の皆さんが苦手とする制度化粧品の対面販売用カウンターを整えて、その日は終了した。


早朝からの作業ですっかりクタクタだ。

今日は絶対、ビールが美味しいと思う。


「お疲れ。今日はありがとう。」

「おぅ、お疲れ。」

「須賀くんたち、車でしょ? 俺、事務仕事がちょっと残ってるから、適当に駅前の店選んで、先に入っててよ。」

「うん。わかった。じゃ、待ってる。」

「え、ちょっと待って。どこの駅?」

「あれ? 言ってなかったっけ? 俺、今、おたくの会社の近くで一人暮らししてんの。」

「うそ?」

「あぁ、そう言えば言ってなかったよね。だから、向井くんと飲む時は、会社に車を戻した後、必ず駅前。」

「ふ〜ん。そうなんだ。」


何か、匡史とは妙に縁があるんだな。

別にいいけど、それは今後、良い方に働くのか、悪い方に働くのか、微妙な気がしてならない。


今日の朝までだったら、そうは思わなかったかもしれないけど..........

さっき、須賀くんが言ってたことが引っかかるし、匡史とくっつけようとして、余計なことされたりしたら嫌だもん。

心配になって、ちょっと警戒してしまう。

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