君を選んだから
陳列終了後、主任と守谷さんはグリーンピアから直でサウナに行っちゃったから、帰りの車中は須賀くんと二人きりだった。

なのに、今までとは違った変なドキドキが加わったせいで、純粋に二人だけの空間を楽しめなかった。


須賀くんがあんなこと言うからだよ。

本当にそう思ってるの..........?


もしも匡史が私を好きだと言ったら、須賀くんはどうするの?

少しは焦ってくれる?

何か反応してくれる?


いや、どうでもいいのかな。

私なんて所詮、ニセ彼女だもんね。

今まで須賀くんを好きな気持ちをわかりやすく表に出して来なかったことを、ちょっとずつ後悔し始めてるよ.........


車を置いてから、よく会社のメンバーで行く焼き鳥屋さんに顔を出すと、早めの時間だからか、まだ空いていた。

せっかくだから、奥の個室に通してもらったけど、よく考えたら、この状況で匡史のことを聞かれたら逃げられないじゃん。


あぁ、ヤバい。

必要以上に緊張しちゃう。

嬉しいはずの二人きりが、プレッシャーになってるもん。


って言うか、これ、ここに匡史が加わったら、もっとややこしいことになっちゃうんじゃないの?

今日は疲れてるからすぐ酔いが回っちゃいそうだし、自分から変なこと言っちゃったらどうしよう..........

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