Heaven~第三章~
「じゃあ、早速頼む」


獅朗がそう言うと嵐達は頷き部屋を出て行った。


「あっ、すぐ戻る」


何もするなと言われたけど、一言だけ嵐に伝えたい。
私は慌てて嵐の後を追った。



「嵐、ちょっと待って!」


まだエントランスに居る嵐に声をかけた。


「どうした?」

「嵐に話があって、」

「じゃあ、俺達は先に帰るから」


真澄はそう言って「帰るぞ」と幸二の頭を叩いた。
二人がマンションを出るのを確認してから「どうした?」と嵐が私に視線を戻した。


「あっ、うん。こないだ嵐が言ったこと」

「俺が言ったこと?」

「そう、獅朗のこと……」

「あっ、あれか……答えは出たのか?」


嵐は顔色一つ変えない。
ただ真っすぐ私を見つめ言葉を待つだけ。



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