Heaven~第三章~
皆何も言わない。
私からの言葉をジッと待っている。




「助けて欲しいの」




助けて欲しい。
アイツから、あの家から……
体中にあるアイツからの呪縛から……



「……分かった」



そう言ってくれたのは嵐だった。


「え?」と頭を上げると嵐は私ではなく獅朗に「で、俺達は何をすれば良いんだ?」と視線を向けていた。


「良いの?」


あまりにアッサリとした返事に驚いた。


「あぁ」

「理由も聞かずに?」

「理由?あぁ……獅朗は知ってるんだろう?」

「俺は知ってる」

「それなら俺達が聞くこともないだろう」


< 77 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop