Heaven~第三章~
「これから椿にはここに寝泊まりしてもらう」

「え?ここで……」

「何だよ。不満か」


あのマンションに帰ればアイツが居るのは分かってるけど……


「あのさ……魚が」

「は?魚?」


幸二が呆れたような声を出した。


「ペット飼ってて」

「こんな状況でペットだ?」


幸二がいらつくのも分かるけど、あの紅尾金龍は学から譲って貰った大切なもの。
学とケンカしたり、笑っていた頃を全部見ていていてくれた。
私の大切なもの。


「分かった。死なせなければ問題ねーんだな」

「あっ、うん」

「とりあえず、様子見に行く時は必ず俺達が着いて行く。それ以外の奴とはあのマンションに絶対に行くな」

「……分かった」
 

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