Heaven~第三章~
雅近が頼んだハンバーグセットを何とか食べ終え、言っていたように雅近が奢ってくれた。


「ご馳走様でした」

「いえ、いえ」


二人でファミレスを出る時にすれ違った女の団体の一人が「雅近じゃん」と私達の足を止めた。


きっとお店に出勤まえの女。
身なりを見れば分かってしまうのは、少なからず私も染まっているから。


「連絡したのに~」


ん?
これはデジャヴュ?


クスッと笑ってしまうと「何、この女」と私に敵意の視線を向けてくる。


女の嫉妬ほど怖いものはない。
面倒なことに巻き込まれる前に「じゃあ、先に帰るね」とその場から離れようと雅近に言うとグイッと首に腕を回して来た。


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