氷と炎の魔女


「みんなはこの後どうするのか決めてて!私はちょっと人間達のこと見てくるからさっ!本当にいい人だっているのかを…ね?」




「ココアちゃんだけじゃあぶな…」




「止めても無駄だよ!皆で行ったって逆に危なくなるかも知れないし!私行ってくるね!」



私はそう言って屋上から下に降りていった



また悲しそうな顔をしたチョコにまた私は気づかなかった



「人が誰もいない…授業中なのかな。」




私がぼそっと小声で言っただけなのにこの廊下は大きく響いた



「あんただれ?」




私は声をかけられドキッとした




ふと後ろを向くと背の高い男の子が立っていた


その男の子は背が高くて、顔は小顔、ぱっちりとした二重だがクールな雰囲気のある人



これぞイケメンって感じの顔だった




「授業中だけど、なにしてんの?」


「えっ?私?」


「あんたしかいないだろ?」


「私は…その。」


「ってか何その服、制服来てないし、不法侵入?」


やけに上から目線のこいつに私はイラっときた



やっぱり人間は嫌なやつだ



そう思った



「先生に見つかったらお前警察行きだぞ?ほら」



そう言ってわたしに男の子が着ていたブレサーを渡した



「それ着てたら多少は気づかないだろ?ってかさ…お前その服…魔女にでもなったつもりか?」



そう、私の服装はいかにも魔女って服



だって魔界ではそれが制服みたいなもので。



これを着てないとスティックが出ないしスティックがないと魔法だって使えないし。



赤い色の帽子に赤色のマント、赤色のワンピースを着た私はいかにも魔女って感じはするけど。



「お前…変人?」




変人扱いされるなんて!!



本物の魔女だしっ!!



「こっ、コスプレしてただけ!別にいいでしょ!人の勝手よ!」



「まぁ、別にいいけどさ。お前名前は?」



「…ココア。あんたは?」



「ココアって名前か。ふーん。俺は連。」



「へぇー、変な名前」



「はぁ?お前の方が変だろ?ココアって飲み物かよ!」




「別に変じゃないし!あんたの方が変じゃん!」



魔界では連って名前なんて聞いたことなかったから。


別に本当のこと言っただけだし…



「あー、もういいわ、めんどくせぇー」




「なにがめんどくさいのよ!あんたから話しかけてきたんでしょ?この、サボり魔」



「あんたじゃねぇーし連って名前があるんですけど?この変態やろう!」



なに!こいつ!



確かに人間界でこんなかっこでまさか学校にいるなんてみたら変な人に見えなくはないけど。



ってかホントの魔女だし、仕方が無いじゃん



こいつ魔女が本当にいる、なんてことも知らないんだ



あんなことしたのはあんたたちなのに。




忘れるなんて。




「スティック!!カエルたちよ、この男にとびかかれ!!」



すこしイタズラ程度の魔法をかけてやった



私がいたところから次々へとカエルが飛び出してきて連の顔にへばりついた



私は舌を出しべーっとしてみんなのいる屋上に向かった




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