エリートな彼と極上オフィス
月曜日はきらきらしていていい。

前週の慌ただしさも、土日の怠惰も全部洗い流す、特殊な空気に満ちている。

電車に飛び乗った直後、携帯が震えた。



【どう?】

【ぎりぎりですが余裕です】

【どっちだよ】

【結論から言えばセーフです】

【よかった、起こしてやれなくてごめんな】

【しまか】

【しまか?】

【打ち間違えました、次回はちゃんと自分で起きます】

【着替え置いていいぜ。まあとりあえず後で、会社で】



先輩、これからも。

何度だって抱きしめて、キスをして、会社ではきりりと涼やかに、夜は少し扇情的に、笑ってくださいね。

なんたって先輩は、私のものなんですから。


ねえ私は、誰のものですかね?

もしかして先輩のものに、してもらえたりしますかね?


汗と吐息と、あといろんな何かにまみれた夜、私はふと思いついてそう尋ねたのだった。

先輩は不意を突かれたように目を丸くして。


照れくさそうに、こぼれるような笑顔を浮かべた。



『当然、俺のじゃねえ?』



窓から差す光の筋を眺めながら、返事を打った。

顔が自然とほころんでしまう。


ああ日々は楽しく、うまくいくこともいかないことも、ひっくるめて何もかも愛おしい。


偶然会ったら、よお、っていつもみたいに声かけてくれて。

それで今朝のことを思い出して、ふふっとお互い笑ってしまうような、そんな想像だけで素敵な気分だ。


ともあれ今は、朝を駆け抜け。

ウィークデー用の自分に着替え、意気軒昂、再出発。


先輩、それではまた後ほど。





──会社で!









Fin.




< 174 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop