エリートな彼と極上オフィス
顔をしかめる先輩に、ふふふと含み笑いして、その場を去った。
大丈夫、先輩の班は、先輩に似合う色をと私が独断で選んだ綺麗なスカイブルーです。
他の班は当たり外れがかなりありますが。
「肌色のTシャツって、売ってんのな」
「失礼な、サンディブラウンというおしゃれな色名ですよ」
「湯田、お前、絶対わざとだろ」
身内のぼやきを無視して、進行に徹する。
班対抗のクイズやら伝言ゲームやら、千明さんと知恵を絞った出し物は終始笑いをもたらし、座は盛り上がった。
隙を見つけては、懇意の取引先さんにお酌をし、日頃あまり縁のない方にはご挨拶をする。
目が回りそうなほど忙しい。
「ではしばしご歓談のお時間とします」
ようやく千明さんがそう告げた時には、私は空腹と疲労でふらふらになっていた。
「お疲れ、上で風に当たってきたらいいよ」
「そうさせていただきます」
つかの間の休息だ。
よろよろと甲板に上がると、見渡せる湾の黒い水面は、残暑を楽しむ屋形船たちの明かりでいっぱいだった。
海から来る風が、動き回って汗ばんだ額を冷やす。
湯田、と呼ぶ声がした。
「こっち来いよ、疲れただろ」
甲板の半分は喫煙者の溜まり場になっている。
ベンチのひとつに座って私を呼ぶのは、コウ先輩だった。
「お邪魔します」
「今お前の話、してたんだ」
隣に座ると、向かいのベンチには岩瀬CMOと、ブランドコンサルティングの会社の数名がいる。
みんなワイシャツの上に先程のTシャツをまだ着ていて、奇妙なスタイルだけど気にしていないようだ。
「いいお話ですかね?」
「そうだよ、お前の愉快な視点と独特の言葉選びは、気づきをくれるよなって」
「…いいお話ですかね」
大丈夫、先輩の班は、先輩に似合う色をと私が独断で選んだ綺麗なスカイブルーです。
他の班は当たり外れがかなりありますが。
「肌色のTシャツって、売ってんのな」
「失礼な、サンディブラウンというおしゃれな色名ですよ」
「湯田、お前、絶対わざとだろ」
身内のぼやきを無視して、進行に徹する。
班対抗のクイズやら伝言ゲームやら、千明さんと知恵を絞った出し物は終始笑いをもたらし、座は盛り上がった。
隙を見つけては、懇意の取引先さんにお酌をし、日頃あまり縁のない方にはご挨拶をする。
目が回りそうなほど忙しい。
「ではしばしご歓談のお時間とします」
ようやく千明さんがそう告げた時には、私は空腹と疲労でふらふらになっていた。
「お疲れ、上で風に当たってきたらいいよ」
「そうさせていただきます」
つかの間の休息だ。
よろよろと甲板に上がると、見渡せる湾の黒い水面は、残暑を楽しむ屋形船たちの明かりでいっぱいだった。
海から来る風が、動き回って汗ばんだ額を冷やす。
湯田、と呼ぶ声がした。
「こっち来いよ、疲れただろ」
甲板の半分は喫煙者の溜まり場になっている。
ベンチのひとつに座って私を呼ぶのは、コウ先輩だった。
「お邪魔します」
「今お前の話、してたんだ」
隣に座ると、向かいのベンチには岩瀬CMOと、ブランドコンサルティングの会社の数名がいる。
みんなワイシャツの上に先程のTシャツをまだ着ていて、奇妙なスタイルだけど気にしていないようだ。
「いいお話ですかね?」
「そうだよ、お前の愉快な視点と独特の言葉選びは、気づきをくれるよなって」
「…いいお話ですかね」