徒然なるままに、短歌部





「そもそも本当に爆破するなら、もっと端的に書かないかい? 『爆弾はこういう仕組みで作る』とか『決行日は、何月の何日』とか『この日の日没は何時だ』とかね」




まあ、言われてみれば……。




「でも、それをしなかっただけじゃないですか? 万が一、落とした時のために……」




「いや、違うね。しなかったんじゃない。できなかったんだよ」




「できなかったって……勇気がなかったってことですか?」




すると、サラダ先輩は、またあの予告状を取り出した。




「この一文目に、『高校に時限爆弾を仕掛ける』って書いてあるだろう?」




確かに。何度も見た。




「でも、『瀬花高校』とは書いていない」




あっ! 確かにそうだ!





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