徒然なるままに、短歌部
「まあいいや。えっと、『コーヒーと煙草の匂い混ざり合う 部室で二人ゆっくりまったり』かあ……」
「どうですか?」
サラダ先輩は、渋面を浮かべて、煙草の煙を吐いた。
「あー、うん。まあ、普通かな」
「普通? ということはOKってことですね?」
サラダ先輩は「まーねー」と興味なさそうにノートを前に手をひらひらさせた。
その反応が気に入らない。
「あのー、私、もう16歳なんですよー」
「だからなんだい?」
「どんなこと言われても、私は全然大丈夫ですよ。泣きわめくなんてこともしません。だから、正直にズバッと言ってくれませんか? どこが悪いのか」
しかし、サラダ先輩は黙ったまま。
「サラダ先輩? あの、聞いてますか? 何か批評を……」
私があんまりにしつこいもんだから、サラダ先輩は、目頭を押さえながら言った。