徒然なるままに、短歌部
「先輩、ちょっと出ていいですか?」
「ん? どこに行くんだい?」
「ちょっと、短歌を詠もうかと……」
私は嘘をついて、部室を出た。出てから気づいたんだけど、ノートもペンも持って来なかった。勘のいいサラダ先輩だ。きっと、私の嘘に、私がノートとペンを忘れていたことに気付くよりも前から気づいているだろう。
私には確かめたいことがあった。
それは、サラダ先輩が短歌部に居座ることになった確信をついているかもしれない。それが確信をついているか確かめるためだ。