徒然なるままに、短歌部





「サルワタリさん……」




「だから、サワタリですよ!」




戸松先輩は相変わらず私の名前を覚えてくれない。




「それで、順調なのかい?」




「何がですか?」




「短歌だよ。約束しただろう? まさか、詠んでいないのか?」




戸松先輩は、普段よりも疲れているのか、頭を抱えている。




「戸松先輩こそ、なんか元気ないですね。疲れてるんですか?」




「まあね」それ以上は何も言わなかった。




「で、私がここに来た理由ですが、一つお聞きたいことがありまして……」




「なんだ?」まだ頭を抱えている。




「サラダ先輩は、なぜ文芸部を辞めたんですか?」




「ん?」頭から手を離した。





< 161 / 266 >

この作品をシェア

pagetop