徒然なるままに、短歌部
私の頭の中でいろんなことが廻った。
あの日、私の書いた小説、『レイニーブルー』を読んだサラダ先輩は、「短歌向きだ」と言った。
そして、短歌がどういうものか教えてくれて、私に『抗い』を見せてくれた。
なんでそんなことをしたんだろうか。「俺には短歌を詠む才能はない。ただ連れて来られただけだから、短歌のことを聞かれても困る」というたった一言でいい。それだけで、サラダ先輩は、少なくとも私にこうして荒れていた時のことを聞かれずに済んだ。
私もこんな疑問を持たずに済んだ。
それをできなかった理由がきっと何かあるからだ。
それは、本田先輩や、松田先輩、豊田さんとは違う、私にだけそれをしなければいけない理由が。
それに、私を文芸部に戻そうとしている理由。これも何かあるはずだ。
そもそも、短歌文集1000冊売るなんて、無理な条件を課さなくても、私は、文芸部に戻れるのだ。
短歌部を文芸部の管轄下に置くときに、戸松先輩がカナ先輩に出した条件にもあった。「ライターズブロックになった者の手助けをするための場所」と。
私は自分がライターズブロック。つまりは、どんなに頑張っても書けなくなるなんて状態にはなっていない。その証拠に書いたのが『レイニーブルー』だ。
考え過ぎだろうか? でも、きっとこれにもわけがあるはずだ。
それを知る術は、一つ____