徒然なるままに、短歌部





もちろん、私たちは猛抗議したんだ。でも、先生たちはそれが聞き入れなければ他も受け入れないということだった。女子ソフトボール部も復活しない。




もちろん、女子ソフトボール部の部員含め、みんなそれは何でもやりすぎだって訴えたんだけど、美佐枝先輩は、静かに、




「学園祭終わりに自主退学します。その代わり、学園祭で短歌部として最後の文集を出させてください」




と言ったんだ。私はもちろん止めた。学園祭が終わったら美佐枝先輩がこの学校からいなくなる。美佐枝先輩が全てを背負うことはないと思ったんだ。しかし、美佐枝先輩は曲げなかった。結局、それで受理されてしまってね。美佐枝先輩は、学園祭終わりに瀬花高校を去った。




短歌部で最後の文集を出したって言ったね? それがこの『抗い』なんだ。題名の意味は、「この学校に最後まで抗った短歌部の有終の美を飾る」というもので、美佐枝先輩が名付けた。




そして、美佐枝先輩が学校を去る前に詠んだ短歌がこれさ。





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