徒然なるままに、短歌部





四季が移り変わっていくように、学校を変えることは容易なことではない。小さな蟻がどんなに抗ったとしてもそれは虚しいだけだ。




美佐枝先輩の作品の中でこれほど胸を打たれる、悲しいものはなかった。




美佐枝先輩が学校を去ってから、私たちが作った隠し部屋は教師の隠れ喫煙所と成り代わった。




しかし、私の卒業するころにある事件が起きたんだ。その隠れ喫煙所で教師と生徒が援助交際の場として使っていたんだ。生徒が成績を上げてほしいがために、教師に身体を売るという、それは惨いものだった。結局、後で大問題になって、当時の校長が責任をとって辞任した。




それから新しい校長になって、瀬花高校はいい方向に変わって行ってね、美佐枝先輩のいる間だったらどれほどよかったか……。




万智ちゃんと言ったね? もう気づいているかもしれないけれど、本当に素晴らしかったよ____





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