徒然なるままに、短歌部
好きなことをする。それがお母さんの喜びに繋がるなら、私は自分の好きなことを全力でやる。
確かに、短歌文集を1000冊売らないと文芸部には戻れないけれど、それが何? 文芸部でしか小説を書けないわけじゃない。小説は紙とペンがあればどこでも書ける。
私はなんてつまらないことを抱えていたんだろう。心が雲に覆われていて、その切れ間から太陽が顔を出すような、菩薩に近い気持ちだ。
私は菩薩だ。さあ、拝むがいい。
私は牛乳を飲み干し、お母さんに言った。
「学園祭までに私は小説を書く。それでもよかったら見に来てほしい」
お母さんは手を止めず、私の方も見ないで、
「もちろん行くわよ」
と言った。
そうと決まれば執筆を始めなければならない!
私がリビングを飛び出そうとした時、お母さんが「どうでもいいけどさー、あんた……」と言って、私を立ち止まらせた。