徒然なるままに、短歌部
好きなこと 後編
翌日、私は学校をサボった。
いつも通りの時間に制服を着て、家を出たから、お母さんもお父さんも学校に行ったと思っているはずだ。
しかし、私は学校の方へは行かず、代わりに『常盤』と表札が書かれた家に向かった。
インターホンを押す。
返事はない。
もう一度押す。
返事はない。
「すみませーん!」
返事はない。
「宅配便でーす!」
返事はない。
ドンドンドンッ!
返事はない。
ドンッ! ドンッ! ピンポーン! ドンッ! ドンッ! ピンポーン!
ドタドタドタ……バタンッ!
「あー! うっさいわねえ! 居留守使ってんのがわかんないの……って、あんた、あの時の」