徒然なるままに、短歌部
「君、カツジョかい?」
「あ、いえ、瀬花です」
「瀬花高校かあ……」
おじさんは『瀬花』と聞いて、何やら複雑そうな顔をした。きっと瀬花高校の評判があまりよくないからだと思う。
「それで、私に小説の書き方を聞きたいんだよね?」
「そうなんです。お忙しい中、すみません」
「いやいや、ちょうど今は、長期休暇中でね。ちょうど暇だったんだ」
おじさんはコーヒーを音を立てて飲んだ。
「さて、小説の書き方だけど、君は今までに小説を書いたことは?」
「あんまり自信ないんですが……」
そう前置きをして、晴さんに見せるつもりで持ってきていた『レイニーブルー』をおじさんに見せた。