徒然なるままに、短歌部
コバさんこと、おじさんは、私の小説を読みながら時折、頷いたり、苦笑いを浮かべている。それを見ながら私はじわりと手汗が滲んだ。
おじさんは読み終えると「読ませていただきました」と言って、私の原稿をガラステーブルの上に静かに置いた。
戸松先輩とは大違いである。
「あの……どうでした?」
おじさんはコーヒーをまた音を立てて飲み、「ふむ……」と言った。
「まあ、よくできているかどうかについては、きっと君もわかっているだろうから敢えて言わないけど、僕はこれを面白いと思ったよ」
意外な答えだった。