徒然なるままに、短歌部
「そうだねー、1本につき1分半~2分ってところかな」
「じゃあ、次の煙草までのスパンはどれくらい空けますか?」
「まあ、2本立て続けに吸うこともあるから、何とも言えないね」
おかしい。
絶対におかしい。
「じゃあ、先輩はあの時、立て続けに6本吸ったことになりますよね?」
サラダ先輩は、私の問いに「何が言いたいんだい?」と微笑みながら聞いた。
「おかしいんですよ。立て続けに6本吸うってことが。休み時間は基本的に10分です。6本を1分半のペースで立て続けに吸うと、9分の計算になりますよね?」
「そうだね」
「先輩の教室からあの体育館裏まで所要時間は、走って1分くらいだとすると、授業に間に合わないんですよ。だから、休み時間に吸うってことは不可能だと思います」
「まあ、そうなるね」
「ただ、昼休みは30分あります。でも、昼休みはお弁当を食べる生徒で人目に付きやすいので、それはないと思います。体育館でバスケとかバレーとかしてますし。となると、可能性があるとするなら……」
「休み時間ごとに1本から2本を分けて吸うこと。だろう?」
私の言葉を遮ったサラダ先輩の言葉で、私は確信した。
犯人は、先輩じゃない。