徒然なるままに、短歌部
「誰なんですか?」
「聞いてどうするんだい? 告発でもするのかい?」
「そ、そうじゃないですけど……」
「世の中には知らないほうがいいこともたくさんあるもんだよ。イチゴ・オレの着色料に虫が使われていることとか、キャベツ太郎の原材料はアオサで、キャベツが入っていないこととか」
へえ、そうなんだ……って!
「そんなことはどうでもいいですから、教えてくださいよー!」
「やだ」
「あ、そうだ。じゃあ、先輩が煙草吸ってるってこと、先生にばらしますよ?」
「いいとも」
『いいとも』って、なんでそんな悠長なこと言ってられるのだろうか……何か先生との間で賄賂とか弱みとか握ってるんだろうか。
「とにかく、聞くまではここを通しませんからね?」
私は扉の前に立って、大きく両手を広げた。
その後ろで扉がドンガラガラと開いた。
「あわわわわっ!」