徒然なるままに、短歌部
私は大きなため息をつき、その場に崩れ落ちた。
「ふうー。危なかったですねー」
「危ない? 何がだい?」
「だって、灰皿を隠さないと煙草吸ってるってばれちゃいますし、それに、匂いだって……」
あれ? 匂い?
そういえば、この部屋の換気は窓が一つあるだけで、換気扇なんてない。しかも、10月の肌寒くなってきた今の季節もあって、窓は開いていない。
つまり、部屋に煙草の煙が充満していて、匂いもちょっとやそこらじゃ消えない。
なのに、なんで?
なんで、大塚先生は気づかなかったんだろう。