徒然なるままに、短歌部
「いつの時代も未成年の喫煙ってあるんだろうね。きっと自分たちの喫煙するスペースが欲しかったんだろう。それで、先生と運命共同体になった。『この中で喫煙させてくれないと、先生たちがここで煙草を吸ってること、ばらしますよ?』という具合にね」
なるほど……そういうことだったんだ。
「多分、長我部の奴も気づいたんだろう。頬を触られていたからね。手に付いたヤニの匂いはなかなか取れないんだよ」
ああ、だから、そんなにカナ先輩は怒らなかったんだ。
なんか謎が解けてすっきりしたのと同時に、もやもやが残った。
「だから、これを告発することはしないでおこう。先生の未来もあるしね。子どもが触れちゃいけない問題なんだよ」
サラダ先輩の言う通りかもしれない。
先生って職業は、本当に大変そうだし、中には手のかかる生徒もいるはずで。きっと煙草でも吸ってリフレッシュしないと務まらないんだろう。
学校で煙草を吸うなんて、本当はやっちゃいけないことなんだろうけど、でも、サラダ先輩と違って、先生は20歳を過ぎた大人で、法律には引っかからない。
肩身が狭い思いなんだろうな。