徒然なるままに、短歌部
戸松先輩の話では、短歌部の部室は、何とも不思議なところにあるようで、その行き方を知る人は、学校の中でも少ないんだとか。
「で、どこなんですか?」
「まあまあ、行けばわかるよ。」
そう言って、戸松先輩に連れてこられた場所は、屋上の入り口……。
「ま、まさか、屋上ですか?」
「いやいや、屋上は、だって、ほら。」
戸松先輩が屋上の戸を開けると、そこでは、「ワン、ツー、スリー、フォー」と掛け声に合わせて踊っている人がいた。
「ね? ダンス部の練習場所だろう?」
「確かに……じゃあ、なんで、ここへ?」
すると、戸松先輩は、屋上への入り口の反対側の壁を何やらコンコンとノックしている。
そして、ある部分をコンコンとし、「ここだ」とその部分を、グーッと押すと……。
何ということでしょう。何もなかった壁から大きな扉が現れたではありませんか。
「って、ええー!?」