徒然なるままに、短歌部





そんなみんなの前で「おっほん」と咳を一つしたサラダ先輩が、話し始めた。




「えー、今回みんなに集まってもらったのは、他でもない。実は、この冷蔵庫のに入れておいたプリンがなくなったのだよ」




みんなが呆れたような顔を並べる。




戸松先輩は、「うぇ」。カナ先輩は「ふわぁ」。大塚先生は「へっ」という言葉が出てきそうな口の形だ。




そりゃそうですよね……。




「この部屋の入り方を知っているのは、今、この部屋にいるみんなしかいない。そのために万智ちゃんに時間差をつけて呼び出してもらったからねえ」




「はい。大変でした」




「そこで、単刀直入に聞きたいんだけど、ずばり、自分がここにあるプリンを取ったという人は?」




みんなが首をぶんぶんと横に振っている。




「……まあ、そうなるだろうなとは思ったよ。じゃあ、放課後開始の15:30~15:40の間、みんな何をしていたのか、それを証明できる人はいるか。順番に聞いていこうかな。まずは、戸松。いいかい?」





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