徒然なるままに、短歌部
「さあ、入って。」
戸松先輩に背中を押され、中に入ると、北欧ベースの家具が並んでいて、その奥で、椅子に座って煙草を吸っている男の人が一人……つっこみどころが多すぎる。
「おお、なんだ。戸松か。久しぶりだねえ。」
その男の人は、戸松先輩に気付くなり、煙草を灰皿の上に置き、「やあ!」と手を挙げた。
「ん? 隣の女の子。見たことないねえ。誰だい?」
「ああ、紹介するよ。この子は、猿渡万智さん。文芸部の一年生。」
「ど、ども……とは言っても、文芸部クビになったんですけど……。」
私の自己紹介に、その男の人は、うんうんと頷き、ツカツカと私の前まで来た。
「猿渡万智ちゃんか。いい名前だね。ああ、僕は、裃 更太。よろしくね、万智ちゃん。」
さ、サラダ?
なんかすごい名前……。