徒然なるままに、短歌部
消えたプリン問題-後編-
吾輩は、戸松である。
下の名前はまだない。いや、おそらくこれから先、ずっとない。
僕は、幼い頃から本を読むのが大好きな文学少年だった。そのため、休み時間、みんながドッヂボールに勤しむ中、僕は一人席に座って本を読んでいるような、そんな幼少時代を過ごした。
元々、人見知りで、友達もおらず、周りからは冷ややかな目で見られていた。そんな僕についたあだ名は「サイボーグ」。
って、僕はターミネーターか! とつっこめればそれで友達ができていたのかもしれないけれど、そんな勇気はない。それにどうせすべる。
そして、中学の時、初めて自分の作品を書いた。内容は、覚えていないが、ここにいるサルワタリさんが書いた『レイニーブルー』よりはましな作品だったはずだ。いや、そうでないと困る。
それから、文芸部に力を入れている瀬花高校に入学し、文芸部の先輩方から刺激を受け、頭角を現し、今までに数々のコンクールで賞を受賞。
今年からは、文芸部の部長となり、卒業後は、出版社からの誘いを受けて、大学に通いながら雑誌の連載も担当する。
まさに、順風満帆な人生である。