ずっと、ずっと。【短編】
【彼side】
ずっと好きだった女の子。
その子はいつもニコニコしてて、可愛い。
密かに男子からモテてる。
素直に本人に好きだと言えない俺は、小学校から一緒に登校しなくなり、中学で話さなくなった
その原因は俺。
理由は簡単、どうすればいいのか、わからなかったから。
どんどん可愛くなるあいつに困惑して、どう接していいのかわからなくなった結果、話さなくなった。
後悔しかない。
一緒に登校するのをやめなければ今でも一緒に登校してたかもしれない。
話すのをやめなければ、今でも隣で笑っていてくれたかもしれない。
だけど、そんなことを言っても終わってしまったことだ。元になんて戻らない。
とりあえず、話しかけないと・・・
そう思ってたまに声をかけることはあるが、本当にくだらない話。
今日の弁当はトマト入ってる〜って声がすれば
さりげなく、
お、トマトじゃん。もらいっ
なんて声をかけて彼女の嫌いなトマトを奪う。
それで、まだ、食べれないの?って。
ガキだなぁって思うけど、これ以上はどうしても言葉が出てこない。
しばらくして、友達が俺とはるかが付き合ってるっていう噂を流した。
その噂は効果を発揮して、
はるかを狙ってた大半の人間が身を引いたのに、1人だけあきらめない奴がいる。
鈴木海波。
はるかが好きな本について話してるみたいで、彼女もまんざらではないような表情。
ムカツク。
イライラしていると、
「お?修羅場ですか?お?」
なんておちょくってくる友達。
正直、彼女の感情がわからない今、修羅場どころかみなみに負けてる気しかしない。