ずっと、ずっと。【短編】


あーーー、失敗した


落ち込みすぎて仕事が手につかず、


店長があと少しだから早引けしていいよ。


と言ってくれ、俺はすぐにコンビニを出た。


すると、近くの公園には彼女の姿があった。


もしかして、待っててくれたのか?


いやいや、そんなわけないか。


どっちにしても、こんな夜遅く一人でそんなところに座ってるなんて危なくて仕方が無い。


声をかけようか・・・。


そう、悩んでいると、


サッと立ち上がって帰ってしまった。


俺は慌てて追いかける。


声をかけたいが、タイミングがつかめない。


そう悩みながら歩いていると、はるかが急に歩くスピードを早めた。


俺は慌てて追いかけて、家に入る直前で、引き止めた。


腕をつかむと小刻みに体が震えていることが分かった。


あぁ、俺が怖がらせていたんだ。と気づき、自分の行動が情けなくなる


はぁ、とため息をついた。


けど、これはチャンス。


話しかけるチャンスだ。


なんて思う自分もいて、結局欲求には逆らえず、

「・・・なにしてるの。」


そう、声をかけた。


見れば分かるじゃん、帰ってるんだよ


なんて自分で突っ込みながら、はるかを見つめると、俺の顔を見て、安堵したような声で


「・・・冴島くん?」


また、苗字。


なんて思って拗ねる俺。


何やってるんだか。



そんなこんなで話していた時、ふと目に入ったゴミ袋。


その中には俺があげたはずのビー玉や手紙など、仲良かった頃の思い出の品がたくさんはいってた。



なんで。


なんで捨てるの?


俺は大切に飾ってるあるのに。



イラついた俺は半分八つ当たりしながら


「あれ、なに。」

そう言って指さした
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