甘いだけの恋なら自分でどうにかしている
彼氏ができました
確認したくて
「あ、朝かー。走らないと」と、ぼやきながら目を開けると隣で課長が寝ていた。
「……」
抱き枕みたいにすっかり抱きしめられていて、身動きができない。どうにか腕を伸ばしスマホで時間を確認するとまだ4時を過ぎたところだ。
そうだ。昨日はあれからお泊りしてしまったんだっけ。
課長とキスしたことを思い返すと、全身が火照るように熱くなる。
なんというか、キスだけであんなに愛を感じるものなんだなぁと課長に抱きしめられていなければ、ベッドの中で悶えたいくらい、くすぐったくて幸せな感覚だ。
もう少し今を味わっていたくて、そのまま課長の腕にくるまった。
「おい」
目が覚めると、課長に寝顔を覗かれていた。
「あれ? さっき、私が寝ている課長を見ていたはずなのに、なんで?」
「二度寝したんだろ」
「それはそうですよね」と冷静になればわかることを口にして、身体を起こす。課長は身支度を整えていた。