甘いだけの恋なら自分でどうにかしている
「それと言うの忘れたんだけど、今日、ゴルフなんだよ。鍵置いてくから。悪い、適当に使ってくれ。送れなくて悪いな」
「あ、はい。いってらっしゃい」
どうやら課長は寝坊したようで、大慌てで出ていった。
課長も慌てることがあるんだ。可愛いな。
「行っちゃった」と呟いてベッドにくるまった。
もう少し一緒にいたかったな。そのせいか課長の残り香を残すベッドからなかなか出られなかった。
「好きだなぁ」と声に出すととっても心が満たされているのがわかる。
好きで、好きで、好きで、好きだ。
なんだろう。ずっと前から、何億後年先くらいから、ずっと好きだったような愛しさがある。いや、そんな感覚知らないけど、そう言いたくなった。
なんだ、そうか。
今までの恋は恋じゃなかったんだ。