甘いだけの恋なら自分でどうにかしている

今日はなんだかラッキーだなと勝手に頬が緩んでしまう。

近くの定食屋さんに行き、ランチを頼んだ。
「今日の準備、大丈夫そうか？」
「あ、はい。大丈夫です。なんとかぎりぎり」
「悪かったな、急で。あーあー、面倒くせーな、親睦会。行きたくねーな」とぼやくのが面白い。
「課長、そういうの面倒くさいんですね」
「当たり前だろ。今度はあれだな。中村にも教えておけ、幹事」
「はい。って、また私、幹事やるってことですか？」
ブーブー文句を言うとどうしてか課長は楽しそうに笑う。意地悪だなぁと思うのだけど、なんだか憎めないでいる。

食事を終えてから、そういえばと思い出した風に切り出した。
実は確認しておきたいことがあった。

「あの課長」
「ん？」
「私と課長って付き合ってるんですよね」
課長はぶっと水を吹き出しそうになり、咳き込む。口元を拭いながら

「なんだよ。今さら」
「いや勘違いだったら嫌だなと思って」
「俺はそう思ってるけど」
「あ、はい」

彼女と言われて、背筋がシャンと伸びた。