甘いだけの恋なら自分でどうにかしている
「なんかその呼び方も気持ち悪いな」
「……気分は三つ指立ててましたけど、ダメでしたか、課長」
「まあいいや。はっ倒す」と言うのでギャーと小さく悲鳴をあげると、そのまま長机の上に押し倒されてしまった。
そのまま見下ろされるけど、静かすぎる瞳に吸い寄せられる。
けど、まだこの距離感に馴染めていない。照れが勝ってしまい、ついツッコミを入れてしまう。
「あ、あの課長、これ、はっ倒すではなく、押し倒すですけど」
「そうだな」
「ここ会社ですけど」
「そうだな」
「……げ、限界です」と顔を押しのけた。
「って」とどこかぶつかったようで、目の辺りを手で押さえた。
「あ、ごめんなさい」
「指が目に入った」と言うので、慌てて身を起こし
「え、嘘。そんなところにぶつかりました?」
顔を寄せると、そのままなぜか首筋にキスをされた。