甘いだけの恋なら自分でどうにかしている
課長とお泊まりです
中村の戸惑い
数日後。
給湯室にて、困惑している中村としれっとした若槻と、そういえば中村に顕(と呼ぶのを練習中)と付き合ったと報告していなかったと気づく私がいる。
若槻が中村も知っていると思って顕とどうなのかと質問したことからこうなってしまった。
「はっ。なんすか、若槻さん。今、なんて言ったんすか」
「だから、課長と最近どうですかって」
「どういう意味すか?」
「あ、ごめん、中村に言ってなかったんだけど」と言い訳をすると、「課長と小千谷さん付き合ってるんだよ」とあっさり若槻が答えた。
「えーっ」と大声で驚くものだから、慌ててしっと人差し指をたてる。
「どういうことすか。いつの間にそんなフラグ立ってたんすか。ていうかどんなルートを辿れば課長を攻略できるんすか。さすが小千谷さん、半端ないっすね。その営業力学ばせていただきたいっす」
と興奮のあまりゲームと仕事を混同させる。
尊敬のまなざしで見られても、なんと言っていいのかわからない。