甘いだけの恋なら自分でどうにかしている
理想とパズル
デートの洋服を選んでいたら、着ていないものが沢山あることに気づき、断捨離を始めてしまった。
こうなると夜は長い。
袋にまとめ終えると、今度はクローゼット奥にあった四角い箱に目が止まる。
これ、何を入れていたんだっけ。
開けてみると、ノートが平積みにしまわれていた。すぐに私がまだ空想の世界に憧れていた幼い頃に描いた物語やイラスト帳だとわかる。
だけど、その上にあったお菓子の缶ケースは何が入っているのか察しがつかなかった。
蓋を開けて覗いてみると、形の異なった木のパーツが沢山入っている。
ひとつ手に取り、「ああ。パズルか」と思い出した。
図工の授業で作った作品で、当時は上手くできたとお気に入りだった。
パズルはどんな絵柄だったっけ。動物をモチーフにした作品だった。
ああ、そうだ。それにもこのノートの中のように、物語があった。