甘いだけの恋なら自分でどうにかしている
続きはこんな感じです
家族とご対面
Side-真唯子-
除夜の鐘を聞きながら年越しそばを食べていると、なんの前ぶれもなく顕が
「お前も、一緒に正月行くか。実家に」と言った。
「え? 顕、2日から実家に帰るんだよね?」
壁のカレンダーに目を向ける。
だって今日は大晦日で、あと数十分で年が明けてしまう。
「ああ。だから実家に一緒に帰るか?」
だからの意味がわからなかったのだけど、ひとつ返事で「行く」と答えていた。
帰省当日。午前中に仙台を出た。
高速を降りて、しばらく西へ走ると
「見て、顕。なまはげがいるよ」
途中でなまはげのモニュメントがあって、思わず指をさした。
「動物園で珍しい動物見つけたみたいに言うなよ」と苦笑する。
こちらの天気も晴れていて、心配していた雪はない。
もうちょっとで着くけど、コンビニ寄るか?と顕が言うので頷いた。
田舎だと言ってはいたけど、コンビニやスーパーもあるようだし、生活に不便はないように感じた。