甘いだけの恋なら自分でどうにかしている

同時に課長の彼女が誤解だったことを思い出し
「あ、課長」
フロアに戻ろうとしていた課長を思わず引き留めてしまった。
「なんだよ」
「課長の彼女の正体わかりましたよ」
「はっ?」
「彼女じゃなかったんですね。定禅寺通りでお店やってる方なんですよね」
一瞬、考えた顔になってから、あああの話かと呟いた。
「なんでそれを小千谷が知ってるんだよ」
「ふっふー。秘密です。今度一緒に行きますか?」
意味ありげに言えば面白い反応が見れるかと思ったのに「そうか」と淡白な対応をされただけだった。
つまらない。
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