フォンダンblood
教室に入ると、早速子分…じゃなかった。

一応『友達』っていう人に挨拶される。

人気者の私の机は、直ぐに私のファンで埋まった。

だけど私は、そんな糞には目を向けず唯一無二の存在、白石美羽(しらいし みわ)に笑顔を向けた。

「美羽、おはよう!今日も家に来ない?」

私は『今日も家に来ない?』の所を強調して言ってやった。

今日"は"じゃなくて今日"も"って言って、何回も美羽が私の家に来ることを私のファンに思い知らせてやるために。

「やったー!行く行く‼涼香さんにも早く会いたいな!」

"涼香さん"という単語が出てきたので、ファンが美羽に向ける視線は、嫉妬の目からはてなマークへと変わった。

"涼香さん"__そう、水原涼香(みずはら すずか)は、私のことが大好きな、私と糞すずなのお母さん。

私が『すずなに虐められた!』って嘘をつけば、お母さんは私を簡単に信用してすずなを怒鳴る。

その時のすずなの震えた姿がたまらない!

って、すっかり話が逸れてる!

「今日はお母さんがシュークリームを焼いてくれるって!」

私の返事で、やっと"涼香さん"が私の"お母さん"だと認識した雑魚共を、私はおもいっきり睨み付けてやった。
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