夢恋・second~その瞳に囚われて~
「君の心の奥にあるものに、ずっと怯えていた。それはきっと、君の正直な気持ちだろう。そんな君が、星野くんにとっての大切なものを、知りもしないで決めちゃダメだ」
私は、泣きたくなるのをグッとこらえた。
「だけど……もう……。彼は私と目も合わせなくて。きっと、迷惑に思ってるから」
「本当に?あのときの彼の目。俺を睨むあの眼差しは、決して冗談には見えなかったけどな。彼はきっと__」
「秋田さん」
そのとき、突然名前を呼ばれて振り返った。
「書類は届けてくれたの?検印はもらえた?君はここでなにをしてるの」
拓哉が腕を組んで、睨むようにこちらを見ている。
驚いて返事をしそびれていると、佐伯さんがヒソッと私の耳元で囁く。
「待って、このままなにも言わないで。彼の気持ちを確かめてみようか」
私は彼から目を離し、佐伯さんを見た。
佐伯さんは、悪戯な笑みを一瞬私に向けると、急に真剣な顔になり拓哉を見た。