夢恋・second~その瞳に囚われて~
私もそのまま彼を見つめた。
こうして拓哉を見ていると、いつでも瞬時に甘い時間を思い起こせる。
彼の指が、私の肌を滑る感触。
耳をくすぐる、掠れた声。
あなたの背の、滑らかさ。
私は目をつむり、頭を軽く振ると、拓哉から目を逸らした。
いけない。仕事中なのに。
彼と再び付き合うようになって一週間。
最近の仕事中の私は、毎日そんな気持ちを打ち消している。
拓哉が毎晩のように見せてくれる夢のような時間が、会社に来ても頭から離れないのだ。
もう一度、チラッと彼を見ると、すべてを分かっているかのような顔でフッと笑った。
考えていることを読まれたような気がして、恥ずかしくなる。熱い頬に手を当てながら、私は資料を取りまとめると、彼の視線を振り切るように、そそくさと会議室を出た。
廊下を歩いていると、前方から由衣さんが歩いてくるのが見えた。
彼女は私に気づくと、小走りで近づいてきた。
「芹香ちゃん」