夢恋・second~その瞳に囚われて~
「あの、主任……」
私が話を始めると、拓哉は振り返った。
「いいから。なにも言わないで。ミスは誰にでもある。今回は俺にも責任がある。それだけだよ」
「でも、私……」
配送に出たら明後日までは帰れない。
業務にも差し支える。
今日は金曜日なのが救いだが、万が一、トラブルなどがあったときなどには対応が必要だ。
拓哉がいない間に私ひとりでは、やり切る自信がない。
それよりも、申し訳なくて、どうしたらよいか分からない。
「俺がいない間の業務代行は、佐伯課長に頼むから。なにかあったとしても、君ひとりで全部、やらなくてもいい。心配いらないよ」
まるで私の頭の中が見えているかのように、そう言った拓哉に、思わず言っていた。
「私も、運行に付いて行ってもいいですか」
「は?」
彼は、驚いた顔で私を見た。
「あの、ですから、私も。一緒に……」
しばらく二人で無言でお互いの顔を見ていた。
すると突然、拓哉がクスクスと笑い始めた。