夢恋・second~その瞳に囚われて~
「ずっと話さなくてはならないと思っていました。……星野主任とは以前に……」
「言わないで。いいから。分かってるから。彼と君は、きっとなにかあると……感じていたよ、ずっと。だから昼間、確認したんだ」
「でも、このままだと私は」
あなたはなにも聞かずに許すつもりなの?このまま、なにも知らないで目を背けるの?
それだと、なにも解決しない。
「佐伯さんに、彼を忘れさせてもらおうと思っていました。私は、あなたを利用しようと……。許してもらえるだなんて、思っては……」
「なにも言うなって!いいんだよ!そんな話は聞きたくないから」
私を見下ろしたその目が、ギラッと光る。
「いいんだ。君はただ黙って、このまま俺のそばにいたらいい。なにも望まないから。それでいいだろ?」
「え。……でも、それじゃ」
そんなのは恋じゃない。心は縛れないのだから。佐伯さんはなにを望んでいるの?
急に彼が、分からなくなる。
「あら、孝之。お疲れ様」
二人ではっとしながらそちらを見た。