優先順位
逆光に照らされながら大きな影が近づいてきて、甘ったるいフルーツのような匂いが鼻にくる。
「あ...慎也。」
女の子たちとずっと居たのだろう。
いつも慎也から少し感じる甘い匂いが、いつもより強く感じる。
「澪。悪い。今日行けねーわ。」
「え!?」
なんで!?約束したよね?私の方が先約してあったよね?!
「実は、連れの拓也(タクヤ)が彼女と別れたらしくてさ、今からみんなで慰め会やりに行くことになったんだ...」
「え、私と約束したよね!?」
「いや、したけど...」