クールな同期が私だけに見せる顔
次の朝、目が覚めてベッドの上でまどろんでいた。
窓の外からちらっと見えるすっきりはれた空がとてもきれい。
快適な温度の室内で、私は、彼の腕の中にくるまって寝ていた。
それが、とても心地よくて、なんとなく口にした。
「ねえ、今度の休みなんだけど」
私は、頭を上げて彼を見下ろすように言う。
「ん?」
寝ぼけてるのか、考えてるのか分からない。
「私、省吾の家に行ってみたい」
「俺んとこ?何で?」
省吾は、凄く意外なことを聞かれたみたいに驚いて見せた。
「何でって、普通行くでしょう。付き合ってるんだから」
彼の反応に、私の方が驚いてしまう。
「人を招けるような家じゃない」
不機嫌になったのか、無表情になる。
「だったら、ちょうどいいじゃない。
一緒に掃除しようよ。気にしないで。
省吾の部屋に、センスのいいインテリアとか、きれいに片付いた部屋なんて。
そういうこと期待してないし」
「掃除はいらないよ。きちんと片付けてるし。家に来て何するんだ?することないだろう?来ても仕方ないじゃないか」
「そういう問題じゃないの」
彼の態度に少し不安になる。
「だったら、どういう問題だよ。言って見ろよ。いや、ごめん、言い過ぎた……」
「もう一回聞くよ。私、次の休みの日に省吾の家に行きたい」
「ダメだ。週末は予定がある」
「ああ、そうなんだ」
「そんなことで、怒るなよ」
彼は、抱きしめてキスしてくれた。
でも、気に入らないこと言って怒らせたなら、どうしてこんなふうに機嫌を取ろうとするのだろう。
省吾は、悪いと思ってるんだ。だから、私をなだめようとキスしてくる。